麻雀は、136個の麻雀牌(そのうち4つは同じ牌)を使い、ひとつひとつには価値のない情報を
いくつか組み合わせたり、並べ替えたりして価値ある情報へと変換するゲームです。
脳科学的に、人間の知性とは単純に言ってサルにできなくて、さらにコンピューターにできない
ことをいうそうです。
麻雀は、たびたび知的なゲームであると表現されますが、しかし他の多くのゲームと同じく、
いまやコンピューターでも人間の相手を務めることはできるようになりました。現に、多くの若者
がゲームセンターでそれに熱中しています。残念ながら、麻雀をするという行為自体に、人間の
知性を感じないのです。
私はこう思っています。麻雀という遊びは、90センチ×90センチの枠の中で行われる内容に、
人間の知性が活かされているのではなく、その環境に大きな要素があり、つまり、4人で向き合っ
ているということがすでに、すぐれている。さらに、その4人が、ゆるやかな時間を共有することに
よって何が生まれるかというのがもっとも重要であり、それが人間の知性であると思います。
それは、あまりにも何気ないことで、日常的なことに満ちているが、それこそが社会的資源であり、
明日へと繋がる一歩であると信じています。
元気が出る麻雀教室は、5年目を向かえ、十分な社会的な資源としての力を内在し、少しずつ
発揮できるようになりました。年間に20万円の寄付ができ、市民活動のお祭りや日本NPOセンター
のプロジェクトにも参加しました。また、長年にわたって生きづらさを感じている若者の受け入れ
なども緩やかではありますがはじめました。
私たちは、ただ単に麻雀だけをしません。それ自体を楽しさだと感じていません。
「わたしたち」を実感できる「楽しさ」を創造します。
それが、人間の知性を活かした大人の遊びであると私は確信しています。