将棋と麻雀の違いについて話をすることがあります。
将棋は戦争をモチーフにしたものであるのに対し、麻雀は平和的解決の模索であります。
将棋は「私」と「あなた」による関係であるのに対し、麻雀はそこに「ちいさな社会」を描いています。
以前、タモリさんが「4ヶ国語麻雀」というギャグをやっていましたが、まさに言語や文化の違うもの
どうしでも1つのルールを共有して遊ぶことができるのが麻雀の醍醐味であり、だからこそ同学年
や会社のOBだけで楽しむのは、ちょっともったいなくって、自分とは違うさまざまな人たちと卓を
囲むことが、より麻雀を上手にすることの意味だと理解しています。
また、将棋と麻雀が同じ要素を持っていると思うこともあります。
羽生善治(将棋棋士)が「大局観」について書いた文章で、私が面白く感じたものを3つ。
1、「対局中の棋士は、常に冷静に考えながら、決断している」と思っている人もいるかも
しれないが、プロといえども、対局中に感情の起伏はある。自分自身に腹が立つこと
もあれば、予想外の手を指されて動揺することもある。感情の起伏がエネルギーを
生むのであり、状況を受け入れることが大切だと思っている。
2、勝負をしていれば、勝つときもあれば負けるときもある。できることなら負けないで済む
方が良いが、勝負を続けていれば、「負け」は避けて通ることのできない道と思える。
結局、勝負事における最善手は、「負けたくなければ勝負をしないこと」。これに尽きる
だろう。「負け方」それが重要である。
3、気をつけなくてはいけないのは、情報や知識はしばしば創造に干渉するということだ。
情報や知識が先入観や思い込みを作ってしまい、アイデアが浮かばなくなってしまう
のである。情報の分析も、確かに現代において大きな位置を占めているが、人間の創
造力はそれを打ち砕くこともできる。
一部、将棋の技の解説や用語を省いて文章をつなぎ編集しました。
1、は感情の起伏がエネルギーだというのが気に入りました。
2、は「負けてもいいじゃないか」という開き直りができると実に気が楽なことか。
3、は私の創造力もまた、それを打ち砕くと信じている。